12月号の【見どころ】
12月号では“化学プラントは安全第一主義で信頼回復”と題して、東京工業大学の中村 昌允特任教授に「化学プラントの安全目標」についてご執筆を戴いた。化学プラントの安全は“Process Safety(プロセスそのものに起因する事故)”と“Personal Safety(労働災害)”の二つを確保することによって達成される、との書出しで始まり、「リスクゼロ」は理念目標であることや日本学術会議の「工学システムにおける安全目標」としての「基準A 」「基準B」の二つの提言と「基準A 」と「基準B」との間のリスク(ALARPの領域)についての説明、さらに、「2.化学産業の発展と安全目標」の頁では、1976年7月10日のイタリアのセベソにある農薬工場での事故(トリクロロフェノール製造中の反応器が破裂し、ダイオキシンの高汚染被害をもたらした。)や1984年にインドのボパールで起きた化学史上最大級の事故(有毒物質メチルイソシアネートガスが大量に漏洩し、市街地約40万平方kmに拡散、死者は約4,000人、被災者は約40万人といわれる。)を紹介し、「安全目標の考え方・課題」について分かりやすの説明されている。そして、“安全目標は、社会の変化、技術の変化、生産現場の変化によって変わっていく。今、現場で起きていることは「人」「設備」「管理」」の変化である。”と述べられている。これからの若手や中堅の現場技術者の方に、是非、読んでいただきたい論文です。
また、筑波大學アソシエイトの梅田富雄氏の「サイバー・フィジカルシステムとしてのスマートプラントへの変革」はデジタルトランスフォーメーションの重要性に鑑み、望ましいプラントとしてのスマートファクトリーの実現を想定し、現存のプラントをスマートプラントに変革するための諸展開、実施方法としてアジャイルベースの探索型アプローチの必要性について考察した論文です。
併せて、ICS研究所の村上 正志氏の「Cyber Physical Production System 時代の安全制御システムセキュリテイ対策」、ATEX爆発防護の鉾田 泰威氏の「プラントにおける爆発防護の課題」、合同会社 Hato Chemi Japanの宮地 茂樹氏の「韓国、中国および台湾における化学物質規制の動向」、SDS研究会の吉川 治彦氏による「東南アジア諸国の化学物質管理の動向」の論文も一読をお薦めしたい。
12月5日(水)~7日(金)に幕張メッセで開催されます「高機能素材 WEEK」展の「見どころ」と「第7回高機能プラスチック展/第9回高機能フィルム展」の「出展社一覧(小間番号)」も紹介しております。
巻末には2018年『化学装置』1月号から12月号の「総目次」を掲載しておりますので、読み残した技術論文や重要な技術論文の掲載月号を探すための一助としてご活用いただければ幸いです。
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ITEM NAME | 化学装置 2018年12月号 |
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ITEM CODE | PAP201812-f~PAP201812-m |
PRICE | 1,848~22,176 円(税込) |