化学装置 2013年5月号

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【特集】世界に誇る日本発『粉粒体技術』


【総 論】材料開発を強力サポートする粉体技術の最新動向
大阪大学 内藤 牧男,阿部 浩也,近藤 光

粉体特性評価装置とその適用例
ホソカワミクロン 笹辺 修二

動的光散乱方式によるナノ粒子物性評価装置とその適用例
日機装 安斉 和俊

超音波ナノ分散機と実施例
井上製作所 長嶋 順一

摩耗性のある粉粒体ラインにおける
シール性を向上させたボールバルブ
日阪製作所 塙 久季

各種粉体の粗粉砕・中粉砕における最近の技術動向
中工精機 工藤 好功

分級機内蔵型 乾式ビーズミルを用いた砕料の高効率粉砕
アシザワ・ファインテック 石井 利博

【特別寄稿】


薬塵測定ガイドライン第2版発行に寄せて
-改正点を中心にして-
東洋エンジニアリング 島 一己

【巻 頭 言】


科学技術を市民に取り戻そう
-テクノデモクラシー・簡明化技術が世界を救う-
日本粉体工業技術協会 杉田 稔

【連載】


プラントエンジニアリング・メモ
エプシロン 南 一郎

安全談話室
化学工学会・SCE-Net 委員会

現場で役立つ静電気対策と実際
-基礎から応用実践まで-
産業安全技術協会 泉 房男

化粧品の材料設計 -基礎から応用まで-
近畿大学 鈴木 高広

図解 化学装置 【5】-晶析装置 -
東洋大学 川瀬 義矩

環境改善から環境経営への取り組み
露木生産技術研究所 露木 崇夫

知っておきたい微粒子をめぐる世界
種谷技術士事務所 種谷 真一

初歩から学ぶ「化学機器・装置」設計
大野技術士事務所 大野 光之

P&P Info.、催物案内、情報ファイル、新刊案内、コラム、
次号予告

■今月号の見所
【連載】化粧品の材料設計 -基礎から応用まで- の第20回目の今月号「ファンデーションの湿式プレス製法」では、①乾式充填法と湿式充填法の違い、②湿式充填法の溶媒の役割などが、解説されている。序論の【プロローグ】は、以下の通り;

「有機顔料と無機顔料の主な違いは,光の屈折率と拡散反射率である。酸化チタンや酸化鉄は高い屈折率をもち,カバー力のある色彩光を広角に解き放つ。一方,有機顔料や染料はカバー力が不足し,地肌の欠点が透けて視える。印象的な色彩で装う肌に,シミやくすみが目立っていては興ざめだ。無意識に相手との距離を置く。すると欠点が目立たなくなり,きれいな肌に見える。これがぼかし効果の原理だ。焦点をはぐらかし,見えているものを見えなくする官能技術も無機粉体の優れた物性の一つであり,無機顔料が装う魅力的な肌の外観は,異性との距離を一段と近づける。

メイク製品の中心的役割をもつ原料が無機顔料である。だが,無機顔料には欠点も多い。高度な光学機能をもつパール顔料や,精密に設計された複合顔料の複雑で微細な高次構造は,繊細で脆い。パウダー品の製造工程で用いられる強い衝撃力の粉砕混合工程は,複合顔料の精密構造を破損し機能を低下することもある。複合顔料の多くは,一部が破損して機能が低下することが容認できないほど高価な原料だ。このような高価な粉体は,扱うには厄介だが,新たな商品機能の鍵を握る主役である。

平凡な商品をトレンド品に変えるキャッチコピー創作のネタを提供するためには,製品中にその目新しい無機粉体が繊細な形状を保持したまま配合されていることが求められる。最近の可視化技術は,ファンデーションの商品中味の正体を暴き,新規な原料の存在を迅速かつ低コストで鮮明に映しだすことを容易にした(図1)。各社の商品の中味の技術情報がデータベース化され,誰でもリサーチすることが可能になる日もそう遠くはないだろう。人気のヒット商品の秘訣が中味の新技術なのか,あるいはブランドイメージを高める情報技術なのかを分析することで,嗜好性商品の価値観の創造性が磨かれるのである。

近年,ファンデーションやアイシャドウを中心に湿式充填製法を用いたパウダー製品が増えている。湿式充填法は高機能化した高価な粉体化粧料を,その機能を損なうことなく混合し製品化する用途に適した製造技術である。だが,乾式製法に比べ湿式法は工程が煩雑となる上,乾燥時に製品がひび割れるリスクが増す。つまり,湿式充填法は製造コストが高くなるため,用途が限られてきたのである。だが,湿式法は乾式法では得られない滑らかで肌に吸いつくようなフィット感と,のびの良い軽い使用感を生みだすことができるため,用途が徐々に拡大している。このところ注目を集めている湿式充填法の製造プロセスの特徴を紹介したい。」(近畿大学・鈴木高広教授)




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